スタッフ通信

カゴ作り名人のおじぃ

青空に映える 八重山の昔ながらのカゴ

石垣島は登野城にある「前新商店」の前を通りかかると、いつも植物が店先に干されています。
これがあると、「おじぃ、元気にしてるんだな」と分かって安心です。

今日はこんな風に大きなアダンを乾かしたものがドンッと置かれていました。

前新伸二郎さん(84)は、アダンやクーズで作るカゴ作りの名人です。
のぞいてみると・・・ あ、いたいた!

おじぃがいろいろと見せながら教えてくれました。

内地からも注文がくること、3個セットのアダンのカゴが人気があること、これをたくさん作らんといけんさということ…。
「これは持ち手はつけないでいいと言われて、つけてない」

付けたバージョン。

私は前にこのクーズのカゴを買いました。
手作りでこの丁寧な仕上げで、え、こんなに安い?と驚いたのを覚えています。

人気のぞうりも、今日はラス1でした!

「ガイジンナー」は、本来の種もみを入れる道具として買う人はなく、今では舞踊研究所の方が八重山舞踊の小道具として買っていくそうです。

その隣にあったカゴの中の豆が気になって、「これは何に使うんですか?」と聞いたら、
「これは食べるさ」と…。この黒豆もおじぃが育てたんだって。

奥の棚の上にあった立派なカゴは非売品ですが、「あれは3ヶ月かかったよ」とのこと。
一日でいくつものカゴを仕上げるおじぃでも、さすがに手こずったんだね!

「こんなにして飾ったさ」と、写真も見せてくれました。

おもむろに、床にゴザをサッと敷き、
「今日は材料がないから、カゴを編むためにも、こしらえんといけない」と、クーズを割き始めました。
材料は、お弟子さんの男性が山から採ってきてくれるそう。
優しくてサッパリした気立てのおじぃには、たくさんのお弟子さんがいるようです。

軽やかにナイフを動かし、棒のような植物は、みるみるうちにしなやかなカゴの材料へと変貌を遂げていきます。
その鮮やかな手技に、ホレボレと見とれました。

「誰からも習わん。
じいさんが作っているのを見て、こんなにしてやるんだなと思って、あとは自分でやりながら工夫したさ」

足も使って、より細く整えていきます。

ちなみに、普段作業しているおじぃの仕事場は、テレビの音でにぎやかでした。

「元々は『八重山商事』という卸売り業をやってたけど、7年前に引退して、カゴ作りを仕事として始めたさ。
でも、引退してすぐに商店をやっていた家内が病気で亡くなったさ。

夜は12時ぐらいまで作業やって寝るよ。
ゆうべはテレビが面白かったからよ、3時に寝たさ!」

おじぃと共に歩んできた道具たち。

編むところまで見たかったのですが、夜になりそうだったので(笑)、
お暇を告げて、振り返ると、おじぃは黙々と一人作業を続けていました。

また来るから、元気でじょうとうカゴ編んでね! おじぃ。

この記事をシェアする