親子ふれあい体操で生活リズムを

 八重山地区親子体操推進実行委員会が、全県各地を21日から28日までボランティアで活動する沖縄親子ふれあい体操キャラバン隊を迎えて、12月26日午後2時から石垣市立登野城小学校体育館と視聴覚室で、親子ふれあい体操・講演会が開催された。

 事前に市内全幼稚園・保育所へ呼びかけたところ、15の保育施設に通う親子20組57名(3歳から7歳の子を持つ親および保育施設関係者)がこの日参加。

早稲田大学教授で医学博士の前橋明氏と藤田倫子氏から、「高い高い」「メリーゴーランド」「ロボット歩き」「手押し車」「スーパーマン」「おしりたたき」と各種親子体操を教授。素っ気ない小学校体育館ながらも、会場は親子でふれあいながらの体操に親子で盛り上がって、子ども達もおおはしゃぎ。

 親子で楽しい時間を過ごしたあとは、親は視聴覚室へ会場を移し、前橋氏の講演がおこなわれた。

主催がほとんど保育関係者でなるため、子どもを主催者に預けて、安心して講演会場に移動し、生活リズムが子どもの成育にいかに大きく影響することを学んでいた。

 大川から参加の福田絢(あや)さん(35)は「親子のふれあいや体操の大切さはわかっていたが、具体的にどうするかを今回わかりやすく教われた。子どもも喜んでいるので、きてよかった」と笑顔で述べていた。

 この同キャラバン隊のメンバーは全部で14人名。一週間を4グループに分かれて、ボランティアで沖縄各地を移動し、子ども達の生活リズムの重要性を説いて、親子ふれあい体操の普及に尽力。

今回、八重山には3名が派遣され、この日の午前には、みよし保育園と大川保育所で国領美佐子氏が5歳児への実技指導を実施している。

八重山地区親子ふれあい体操推進委員会も、これまで5年継続してキャラバン隊を迎えている。

八重山地区では公設の保育施設ではこの体操が普及しており、私立の施設や各家庭での浸透を図るのが、この取り組みのねらいとなっている。

 朝食をとること、朝のうんちの習慣を身につける、人と関わる集団あそびやスポーツをする、外で汗をかく運動をする、夕食を早めにとる、安心できる環境で眠る。

 規則正しい生活リズムで毎日が過ごせて、はじめて勉強にも集中できるようになり、子ども達の可能性も膨らむこととなる。

 家庭教育支援リーダーの吉濱剛さんは、「核家族化の中で国民総活躍社会の推進は、子どもを施設に入れきることでしかない。その前に、子どもの生活習慣を整えることに力を注いでからの総活躍社会でなければ、いけないのではないか」と述べていた。

 確かに、父母の帰宅が残業で遅くなる仕事環境は、日本全体の過重労働にかかわるだけにと止まらず、それが子どもへの影響を積みあげて、中高生の学力低下や成人後に長期に蝕む社会が普通となり、次第に奇異な事件の散発が
当たり前にまってしまう。

 子どもの生活習慣の重要性を説き、生活リズムの乱れに警鐘を鳴らし、親子へふれあい体操の普及をこのボランティア活動は、全国で高い評価を得ている模様。

(流杉一行)

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