<日曜の朝に>武内憲治美崎町自治公民館長に聞く

1966年、新しい港湾整備にともなってその埋立地にできた美崎町。今や石垣の町いちばんの繁華街で、飲食店を中心に賑わっている。現在の人口は、326世帯458人。経済センサス特別集計によると2012年現在で事業所数309、従業員数2524人である。

去る5月21日、新栄公園の一角で「美崎コミュニティーセンター」の地鎮祭がおこなわれた。30数年来熱望してきた念願の公民館である。11月に完成予定。

敷地面積300平方メートル、延べ床面積102平方メートルの軽量鉄骨造平屋建て。約100人が収容できる集会室、男女トイレ、事務室を備える。

武内憲治美崎町自治公民館長(69)に話を聞いた。

その前に、武内館長の簡単なプロフィールを。
1948年(昭和23)生まれ。14年前に埼玉県から石垣市に移住。2005年、農協ちかくの石垣SS新栄町給油所裏で「憲助ラーメン」開業。現在、美崎町の「焼肉太陽」代表者。石垣島は?「温かいところが一番いいですね。なにしろ衣装がいらないじゃないですか(笑)」

●美崎町元年

「私はここ(美崎町)へ来て約10年になるんですが、ここに住んだからにはこの町をよくしたいと思って公民館活動に参加しました。総務を2年、副館長を2年、28年度から館長をやってますが、副館長の時代から、ホント、公民館をつくる活動だけですよ。とにかく自分の館長の間になんとかしようと思って」

「いつも気楽に集まれるような場所があれば団体の活動もうまくいくのでしょうが、その場所がなかったので、一時話が盛り上がっても、結局は宿なしですから続かないんですよね。やっぱり核が必要なんですね」

「きのう壱萬会(美崎町の顧問たちの会)の集まりがあったのですが、カラオケのいいものを入れようとか、料理教室をやろうとか、みんな眼の色を輝かしてすごいんですよ。やっと夢が語れるようになってきた」

「11月に公民館が完成して、来年は美崎町元年だと思っています。いろんな情報が集まってきて、いろんなクラブが活動するようになれば、これまでとは全然違った美崎町になるんじゃないかと期待しています」

●公民館と美崎町の現在

「持家のある、むかしからの家主さん72世帯が正会員で、それに248の事業所が賛助会員として加わってもらっています」

執行部は公民館長など4役に、各委員会、マンタクラブ(老人会)、婦人部、青年部、青少年育成部、各班長、自治防災会などで組織される。

「3年くらい前までは青年部が活発で、たとえばみんなで集まって道路の掃除をして、そのあとバーベキューをやってわいわい交流したりしていましたが、今はなかなかできなくなりました」

「美崎町という所は元からの住民だけじゃなくて商売をしている人たちがいっぱいいます。青年部がその両方をつなぐ役割を果たしていたのですが」

「このあいだ(12月19~21日、1月20~22日)美崎町賑わい創出実験事業というのがあったんですよ。3つの通りを開放してオープンカフェの実験。商売というのはみんな一匹狼ですよね。ライバル関係。全体を良くすれば自分のところも、とはなかなかいかない場合がある。難しいですね」

●さて、新しい公民館とともに、どんな美崎町に?

「まずは人の集まる活気のある館づくりですね。そして、青年部の活動を活発にして商売をしている人たちのコミュニケーションをはかり、住民が結束していけたらと思いますね。住民も商売をやっている人も、みんな一緒になって美崎町を良くしていこうと考えてもらいたい」

「美崎まつりをどうしようとか、旗でも作ろうとかという話が出てくるんじゃないですか」

「通りに常に音楽が流れている。こちらでクラリネット吹いている人がいたり、向こうで三線の音が聞こえていたり、そしてオープンカフェがある……」

「美崎町としての業務店連絡網みたいなもの、活性化連絡網みたいなものができればいいですね」

「美崎町は、街コン(街ぐるみでおこなわれる合コンイベント。制限時間内であれば定額でどこでも飲食が可能)だとか、すごくやり易いところだと思うんですよ」

「商売をやっている人たちはお互いライバルであるけれども、大きな目で見れば、美崎町に人が入ってくれば美崎町は活気づくわけですよ。もうちょっと大きな気持ちで考えて、その上で、どうすれば個々の店に客を呼べるか……、美崎町活性化プロジェクトなどもう一度考えたいですね」

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