観光売店にも夏が始動

 4月も中旬から下旬へ向かう時期に入って、八重山の日差しがいよいよ本格的に強くなり、駐車した車内は、しばらく置くと蒸し風呂状態と化している。蝉も鳴き、アカショービンも飛来している。いよいよ、台風発生を恐れる亜熱帯八重山の開幕だ。

 石垣港離島ターミナルのとぅもーるネット販売所では、この夏の滑り出しを告げるTシャツ、アロハシャツの売れ行きが加速。黒糖もよく売れ、最近はゴーヤカンパニーの「ごろごろ島豚」。肉味噌だ。メディアに多数登場したのが影響。ピパーチの売れ行きもメディアの影響とか。さて、店員さんからは、観光客が日焼けで顔や手足が真っ赤になって、痛々しくいる様を見かける時期に入ったという。炎症を抑える製品はあるという。そこでおすすめは「ハブの油」。昔からやけどに効く塗り薬として島では一般的。次に海を渡り竹富島の港売店でも、夏到来を告げるクバオウギやタオルが売れ始めた。いよいよ夏が始まったんですよねと店員にいうと少しニンマリしてうなずいた。

 初春のじわじわくる暑さではなく、体内温度計が一気にドンと振り切る感覚を、4月中旬から感じて、ゴールデンウイークを迎えるのが、この時期のパターン。そこを越えるとまもなく台風一号である。

 海中では、プランクトンが増え出すそのタイミングに、産卵に寄ってくる魚たちで大賑わいとなり、しばらく時が経てば、稚魚の群れの塊が海中を逃げ惑う光景が随所ではじまることに。すでに八重山近海に海のダイヤと称されるクロマグロが入っており、活況はこれからだ。

(流杉一行)

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