チャンプルースタディー活用セミナー開催

 3月7日午後2時から八重山合同庁舎2階会議室で沖縄県農林水産部が主催する「チャンプルースタディー活用セミナー」が開催された。
これは平成28年度沖縄県農林水産部委託事業で、県産野菜消費拡大による健康長寿地域づくり事業の一環で、食育をテーマに沖縄の野菜の消費を促すとともに、健康長寿の地域づくりへの一石二鳥をねらう事業。

 かつて沖縄県が長寿の県として有名だった頃、島野菜を使った伝統の食が一般に活用されていた。今は、食生活の変化がその長寿につながる習慣を失ったままにある。それを復活させたいと、様々な取り組みはあったが、きちんとしたデータに基づく根拠がないまま、うやむやの感が否めなかった。そこにようやく根拠が揃いだして、もう一度再認識を迫る取り組みが始まった。28種の沖縄の伝統的農産物の栄養的な特長を示して、サクナ、ハンダマ、ニガナ、カンダバーなどのカルシュームやその他の栄養素を紹介。おいしく、減塩してつくるこつや、相乗効果持つレシピを実際に摂取する取り組みをチャンプスタディーと称して、活用の途を伝授していた。

 この日、琉球大学熱帯生物圏研究センター協力研究員で薬学博士の等々力英美氏による講演「科学的データに基づく沖縄型食事の有効性とその実証」がおこなわれ、沖縄の野菜を多用する沖縄型食事が血圧予防に有効であることが判明したことを発表。沖縄食の普及により、健康を獲得する事に加え、県産品奨励にも有効となる相乗効果を、根拠ある形で把握できることとなった。このほか、西大八重子さんによる「島野菜のある生活 沖縄型食事の適正な普及に向けて」と題して具体的なレシピづくりのコツを紹介。このほか、チャンプルスタディーの具体的な事例も八重山保健所の西里礼乃氏からおこなわれていた。

 この日会場に集まった約20人の参加者ほとんどは、栄養士、調理師および保育園などでレシピを考案する仕事を持つ人で、そこは仕事に直結する内容だけに、熱心にメモをとって話に聞き入っていた。

(流杉一行)

この記事をシェアする